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2015年7月24日 (金)

ハートマークの冥王星

アメリカの冥王星探査機「ニューホライズンズ」によるフライバイ観測が成功し、冥王星や衛星の映像が続々と送られてきて科学者や天文ファンばかりでなく世界中から大きな注目を集めています。この探査計画、一時は予算の問題で頓挫しかかったのですが、「このチャンスを逃したら次に飛ばせるチャンスは200年後になってしまう!」という科学者たちの声で見事復活した経緯があります。

色々興味深い発見はあるのですが、なにしろびっくりしたのは星の表面にイルカだとかハートだとか浮かんでいるあの映像! よりによって冥王星にハートなんてミスマッチ、一体誰が想像できたでしょう。これから16か月にわたって新しいデータや映像が送られてくるそうですが、この先どんな発見、どんなサプライズがあるのか、一天文ファンとしても占星術師としても興味津々、目が離せそうにありません。

ニューホライズンズが冥王星に向けて旅立ったのは2006年1月のことで、そのとき冥王星はまだ太陽系の「惑星」でした。しかしその年の8月には、ケレスやエリスなどとともに「準惑星」という新しい区分に分類され、小惑星番号134340が割り振られます。さらに2008年の6月には、準惑星のうちケレス以外の、冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアが「plutoid」(日本語訳は「冥王星型天体」)という区分に分類されました。

惑星から準惑星への変化、さらに小惑星番号まで割り振られてしまってはやはり「格下げ」という印象が否めないのか、アメリカのメジャーリーグベースボールのウェブサイトには「9番打者の冥王星がマイナーリーグ送りになった」という記事が出たりしたそうです。しかしながら、もともと太陽系惑星としては天文学的にも占星学的にも特殊な天体ですから、格下げではなく「別ジャンルとして独立した」と捉える方が適切なような気もします。

現在地球から見ると、冥王星は山羊座の13度50分を逆行中。カリス三美神の一人、喜びの女神の名を冠した小惑星エウプロシュネーとコンジャンクションです。カリス三美神というと有名なボッティチェリの「春」やタロットカードのカップの3、杯を掲げて踊る三人の女性が頭に浮かぶのですが、そういえばカップの3にはお祝いという意味もありますね。観測成功と新発見ラッシュに人類が沸き立っているだけでなく、冥王星もはるか地球からやってきた客人を彼なりに歓待してくれているのかもしれません。

ニューホライズンズは来年の8月まで冥王星のデータや画像を集め、その後はさらに太陽系の外側に向けて進みます。そして2020年ごろまで海王星の外側にあるエッジワース・カイパーベルト内の太陽系外縁天体を観測し、その後は太陽系を脱出する予定だそうです。実り多い探査を期待したいですね。

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