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2015年12月20日 (日)

そして海王星は魚座を進む

色々なことを考えて隠者モードになっていたらずいぶん間が開いてしまいました。星もずいぶん動いてすっかり状況は様変わりしていますね。今日はそんな変化のひとつ、海王星の方向転換について少し。

先月の19日、海王星が約150日の逆行を経て順行に転じました。今回は魚座9度49分から魚座7度1分までの逆行でした。来年の3月には逆行を開始した地点の9度49分を越えて新しい経験域に入り、6月半ばに魚座12度2分まで進んだところでふたたび逆行に転じます。

5度くらい進んで3度くらい戻る。また5度進んで3度くらい後戻り。そんな返し縫いのようなやり方で海王星は進んでいき、一つのサインを通過するのに15年くらい、天空の360度を一周するのに165年を費やします。ただ、逆行と言っても実際は天体が方向を変えるのではなくて、太陽が進むスピードと海王星の進むスピードの違いからくる,、見かけ上の後ずさりというのが本当のところです。

進む度数差で言えば、例えば今年1年、元旦から大晦日までの期間なら、度数にして2度9分ほど。365日で360度のうちの2度とちょっとですから、本当にほんのわずかです。ただ、逆行期間に逆戻りした分やダブって進んだ分などを足すと、見かけで動いた度数は7度45分ほどになり、最終的な度数差の3倍以上移動していたことになります。

たった3度の後戻りというと、大した影響はないんじゃないの?と思うかもしれません。それに加えて、海王星の性質自体がどこから来るのかよくわからない、つかみどころのないものなので、「あ!これ!」というような変化は感じにくいかもしれません。でもたとえばマンションの杭打ち偽装やフォルクス・ワーゲン社の排ガス規制に絡む工作のように、ルール違反が露見したり、難民などの社会的な弱者に関するニュースを目にしたり、個人レベルでは原因不明の体調不良など、健康面での不調を経験された方も少なくなかったのではないでしょうか。

前述のように、海王星の逆行は太陽との位置関係によって生じます。太陽が海王星を101度ほど過ぎると逆行が始まり、101度くらいのところまで進んでくると順行に転じるので、年々にずれ込んできてはいきますが、ここしばらくは6月に逆行開始・11月に終了というパターン。海王星的には夏と秋はモードが切り替わっているのかもしれませんね。

少しばかり専門的になってしまいますが、太陽との位置関係ということで、逆行中の海王星が太陽ととるアスペクトをマイナーなものも含めて順に並べていくと、バイセプタイル(102度53分)、トライン(120度)、セスキコードレード(135度)、バイキンタイル(144度)、クインカンクス(150度)、クインデチレ(165度)、オポジション(180度)と多種類のアスペクトを取ります。先月終わった逆行も、海王星に対して光を投げかけた太陽のサインは双子、蟹、獅子、乙女、天秤、蠍と6つのサインにまたがっていましたから、双子の太陽と魚座の海王星、蟹座太陽と魚座海王星、獅子座、乙女座…と、テーマはめまぐるしく変化していました。さほど動かなくても、太陽や他の天体とコンタクトすることで、海王星はどんどんアップデートされていたのです。

それは海王星がそれぞれの天体とサインの経験を吸い込むというふうに考えることもできます。情報は「夢見の惑星」海王星が司る領域、おそらくはユングが集合無意識と呼んだところにプールされます。それを拾い上げ運んでいくのは月の役割。魚座に浸かり、海王星の霧状の夢と一体化した月によって、海王星にたたまれたイメージは360度の天空にあまねくいきわたります。

本来の座である魚座を進んでいく海王星は、水面下で状況を操るキーパーソン的存在にたとえられるかもしれません。それが光を当てる情報や現象化させる出来事も浸透性・感染性が高く、それが第一デーカン(0度~10度)という、象徴や欲求が良くも悪くも純粋に発揮される度数域であれば、なおさらその傾向は強くなるでしょう。

個人的にはアフガニスタンで10月13日に起こった米軍による「国境なき医師団(MSF)」の医療施設への誤爆に強い衝撃を受けました。本来攻撃されてはならないはずの医師やボランティア、傷を負った兵士たちが犠牲になるという非常に海王星的な出来事で、期間的に重なっていた水星の逆行や天王星の逆行の影響も大きかったとは思いますが、「こんな痛ましい出来事はあってはならない」という思いが世界中の多くの人に共有され、私たちの内なる海王星に記憶されたであろうことも含めて、とても海王星的かつ海王星が刺激される出来事だったと言えるのではないかと思います。

永く抱かれた思いはいずれ「かたち」へとたどり着く道筋を見出します。たとえば「鳥のように空を飛べたら」という憧れが空を飛ぶ鉄の船を生みだし、「遠くの星の姿を知りたい」という思いが惑星探査機を宇宙空間に送り出したように。不可能が可能になるとき、そこにはいつも深い場所からの祈りや多くの人々の願いや憧れ、決して眠らない夢があって、それらを保持していくことは紛れもなく海王星の大切な役割、機能のひとつなのではないかと思うのです。

星は地と人に光を投げかけ、人は地上の経験でそれに応える。そうやってやり取りを重ねて世界と時代を共に作る。思えば海王星が1846年に発見されてから、まだたったの170年。海王星と人との間で紡がれるストーリーはまだまだ序章にすぎないのですよね。「私を凶星とするもしないも今後の人類次第だよ」 海王星はそんなふうに思っているかもしれません。

逆行の海王星は、順行の海王星が見た夢を地や人にしみこませていくようなところがあります。だから私たちは、常に欺瞞を退け善き夢を抱き続ける必要があります。 人は知らず知らずのうちに夢見たものに囚われて現実から目を背けたり、時に怖れに喰われ破滅してしまうこともありますから。

最後に、今年海王星がたどった魚座6度から10度のサビアンを書き出してみると、魚座6度が「正装して行進している将校たち」、魚座7度が「岩の上に横たわっている十字架」、魚座8度が「ラッパを吹く少女」。魚座9度が「騎手」、魚座10度が「雲の上の飛行家」。さて、何を連想しましたか?私はやはり、混乱と緊張の続くシリアの情勢を思い浮かべずにはいられませんでした。

6月に「飛行家」から逆行が始まり、8月中旬「騎手」へ移って、9月半ばに「ラッパを吹く少女」に。そこからはずっとその度数にいて、11月の下旬に入ると逆行が終わり、順行に戻りました。そして2016年も、今年通ったあたりの度数域を行きつ戻りつします。テーマは基本おなじで、新たな経験を蓄積・吸収、あるいは上書きしていくわけですね。

ならば欺瞞ではなく慈悲を。失望ではなく夢を。犠牲ではなく救済を。たとえばイスラミック・ステートによる人類の大きな損失や、困難な状況にある人々の暮らしが海王星のよりポジティブな表現で書き換えられ、救済されていくことを祈りたいと思います。

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