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2015年6月20日 (土)

「∞」と花と水瓶座12度

先日、鑑定が終わって家に帰る道すがら。クチナシの甘い香りに不意打ちを食らって、思わず足を止めました。梅雨の合間、湿気を含んだ夜の空気に乗った、そのねっとりとした脂質を思わせる甘い香りは、どこか人肌を思い起させる艶めかしさです。

昼よりも夜強く香るクチナシやジャスミン、チュベローズといった芳香性の花々。それは受粉を仲介してくれる蛾などの夜行性の昆虫を香りで引き寄せるためです。花色の白さも闇の中で浮かび上がるようにという彼らの戦略。文字通りの抗いがたき色香、というわけですね。思わず、フランス映画「ニキータ」での往年の大女優ジャンヌ・モローの台詞を思い出しました。

「この世には無限に使えるもの二つがある。女の美しさとそれを乱用することよ」
(・・・60超えた女がこういうことを言っちゃう/言えちゃうんだもの。カッコよすぎでしょ、これ。)

一方、こういった妖艶さとは無縁ではあるけれど、この時期咲く花で好きなのが、ネジバナという多年生の地生ランです。普段はまったく目立たないただの草。それが花の時期になると30㎝ほどの花穂を伸ばし、可憐なピンクの花を下から順々に咲かせていきます。そう、ねじねじとスパイラル状に咲くからネジバナというわけ。で、じつはこの花もなかなかの戦略家なのです。ネジバナは風で種を飛ばす風媒花ですが、その種は埃のように小さくて養分をためる大きさなどありません。そこで彼らはある種の菌に自分を感染させ、増殖した菌を養分に発芽という大仕事のためのエネルギーをまかないます。

種は食べられるものにして食べるもの。この不思議な循環は、自らの尾を噛む蛇ウロボロスや「∞」、無限大のマーク、レムニスケートを連想させます。

タロットではいくつか無限大のマークが描かれたカードがあります。「1.魔術師」のそれは無から有を生み出す意志と無限の生産力、「8.力」のそれは獣性を手懐ける優美な力。「ペンタクルの2」は小アルカナらしい日常世界に投射された力。完成・成就を表す「21・世界」で踊る両性具有のユニバーサルダンサーを取り囲む月桂樹のリースにも二つの∞が描き込まれ、頭上(MC)と足元(IC)の勝利が強調されています。・・・ならば、ネジバナに秘められた無限は? 伸びた花茎は何を示すアングル?

ネジバナは芝生や植え込みの隙間などでも見かけますが、花が終わってしまえば地面近くの葉しか残らず、それもすぐ、他の植物に埋もれて全く分からなくなってしまいます。つまり、彼らがその本性を表に出すのはこの時期のみ。もし見かけたら、この小さくて可憐な花に秘められた叡智を思い出してみてください。

ネジバナ(スピランサス)→スパイラル→螺旋階段→階段 という連想で・・・
水瓶座12度サビアン 「上へと順に並ぶ階段の上の人々」
松村先生は「独自の基準で人々を判断する」「値踏みの度数」と説明されています。独自の基準、というのが天王星を支配星とする水瓶座の個性ですね。その値踏みも社会的な地位だとか、家柄とか、財産の多寡のような現世的な値踏みにはなり得ません。見えない世界の、あるいは天と地のはざまの、その人が真に「これが価値がある」と信じられるものをめぐる価値判断ということでしょう。

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階段を登ることで人はどんどん地面から離れていきます。その一方で、より広い視界、より開かれた視点を手に入れます。
階段で並ぶ人たちは最終的にどこを目指しているのでしょう。そもそも本当にそれは人なのでしょうか。

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